速記文字とは何ですか

話した言葉の内容を速く書き取るために使われる特殊な文字です。

速記文字とは、人が話した言葉を速く書き取るために使われる特殊な文字です。
簡単な線や点でできています。漢字や平仮名よりもずっと速く書き取りができます。

速記文字には、代表的な4つの速記方式あります。

録音技術が発達した現在では、速記文字は意味がないという考えもありますが、速記文字なら録音できない環境でも記録できるという強みがあります。

速記文字について、覚え方、書き方、4つの速記方式の一覧などをご紹介します。

速記文字とは:書き取りのための特殊な文字

速記文字とは

速記文字とは、人が話した言葉を速く書き取るために使われる特殊な文字です。

速記文字は、五十音に従って考案されています。

代表的な4つの速記方式

速記には、代表的な4つの速記方式があります。[注1]

【4つの速記方式】

  • 参議院式:最も古い速記方式
  • 衆議院式:参議院式より複雑な速記方式
  • 中根式 :初心者向けの速記方式
  • 早稲田式:音節を線で表す速記方式

初心者は何式を学習するのがよいでしょうか。

迷うところです。
次に挙げる特徴を確認して、目的や好みに合う速記方式を選ぶとよいでしょう。

どの方式を学習しようか迷うところですが、それぞれに長所・短所があり、一概にどれがよいということはありません。

【速記方式の特徴】

速記方式長所短所
参議院式シンプルで覚えやすい符号の組み合わせに慣れが必要
衆議院式より正確な書き取りが可能難易度が高い
中根式簡潔で覚えやすい正確な書き取りには慣れが必要
早稲田式多用なシーンで使える難易度が高い

目的や好みに合わせて学習する速記方式を選ぶとよいでしょう。

速記のメリット・デメリット

速記のメリットとデメリットをご紹介します。

メリットデメリット
・録音不可の場所でも記録できる
・臨場感あふれる原稿が作成できる
・速記者の手配
・スケジュール調整が必要

録音設備や、AIによる文字起こしもできるようになった現在では、「速記文字はいらないのでは?」と考えられるかもしれません。

しかし、次の場合には速記文字の出番です

  • 会場が録音不可である。
  • 録音した音声が聞き取りにくい。
  • 録音に失敗してしまった。

速記であれば、その場にいて、理解して文字に記すことができます。また、録音の失敗があっても、速記原稿があれば、原稿を作成できます。

速記文字を覚えたい方は、「使う機会があるかな?」などと思わずに、まず覚えてみましょう。

[注1]公益社団法人 日本速記協会/速記とは

速記文字 一覧:4つの速記方式

速記文字一覧

代表的な4つの速記方式の、速記文字の一覧をご紹介します。[注1]

参議院式

参議院式の速記文字の一覧です。

速記方式:参議院式

衆議院式

衆議院式の速記文字の一覧です。

速記方式:衆議院式

中根式

中根式の速記文字の一覧です。

速記方式:中根式

早稲田式

早稲田式の速記文字の一覧です。

速記方式:早稲田式

私は中根式が書きやすかったです。

目的や好みに合わせて覚える速記方式を選んでみてください。

[注1]公益社団法人 日本速記協会/速記とは

速記文字の覚え方:2つの方法とコツ

速記文字の覚え方

速記文字を覚えるための2つの方法をご紹介します。

【速記文字を覚える方法】

  1. テキスト、サイト、アプリなどを使って独学する
  2. 通信講座を受講する

まずは独学で覚えられそうか試してみて、難しいようなら、通信講座を受講してみるのがよいでしょう。

速記文字の覚え方には、次の2つのコツがあります。

【速記文字の覚え方のコツ】

  1. 反復する :繰り返し書くことで身につく
  2. 練習する :単語から始めて文章の聞き取りまで練習する

やはり、まずは覚えて、地道な練習あるのみです。


速記を覚えたら、日本速記協会が認定する速記技能検定を受けてみてもよいでしょう。[注2]
速記技能検定は、1〜6級まであります。1年に4回実施されます。入門者は6級から、プロは1級まで、レベルに合わせた級に挑戦できます。

[注2]公益社団法人 日本速記協会/速記技能検定

速記文字は独学でも勉強できる?

速記文字を独学する方法

速記文字は独学でも勉強できます。

まずは、学習する速記方式を選びましょう。
速記方式を選んだら、教材を選びます。

次の教材から、自分に合うものを見つけてみてください。

  • テキスト
  • サイト
  • アプリ
  • 動画

独学のポイントは次の2つです。

【速記文字を独学するポイント】

  • 自分に合う教材を使う
  • 繰り返し練習する

毎日繰り返し練習できれば、独学でも速記文字を習得する機会はあります。

速記文字はなくなる?

録音機器の普及やAIによる自動音声認識が発達した現代では、次の意見も聞かれます。

「速記文字は意味がない」「速記文字はなくなる」

その可能性もないわけではありません。
しかし、録音不可の場所でも使える速記文字には、今も需要はあります。

速記文字は、まだまだなくなることはないでしょう。

また、速記文字は、たとえビジネスの場で活用されなくなっても、愛好者の間で文化として継承される可能性があります。速記文字の使われ方は変化するかもしれませんが、完全になくなることは考えにくいです。

速記文字なら発話内容を全て文字に変換できる

速記文字は、発話内容を速く書き取るための特殊な文字です。

初心者の方は、ご紹介した4種類の速記方式のなかから、目的や好みに合う速記方式を学習してみましょう。

録音設備やAI自動音声認識の台頭で、速記文字の活躍シーンは減っているかもしれません。しかし、文化の継承のためにも、速記文字を覚える人は必要です。

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