文末表現は、文章の終わりの表現のことです。

  • 花が咲きました
  • 花が咲い
  • 花が咲くかもしれない
  • 花が咲きません

文末表現により、文章の意味も印象もがらりと変わります。

適切な文末表現を選べるようになりましょう。

文末をどうしようか悩むことがあります。

文末表現の選び方の3つポイントを記事内でご紹介します。

文末表現の一覧もご覧ください。

文末表現の意味、種類と一覧、レポートや論文の文末、文末表現を選ぶ3つのポイントなどを解説いたします。

文末表現の文体は統一するのが基本ですが、文字起こしのときには敬体と常体が混在することもあります。

文末表現とは

文末表現とは

文末表現とは、文章の終わりの部分の表現のことです。
「〜です」「〜だ」などの言葉で終わる部分を指します。

文末表現は、文章の印象を左右する大切な要素です。
文体の統一はもちろん、さまざまなバリエーションを知っておくとよいでしょう。

例文で確認してみましょう。

【例文:文末表現】

彼女は花が好きです

彼女は花が好き

文末表現により、文章の印象が変わるのが分かります。

例えば、「です・ます調」なら丁寧で柔らかい印象、「だ・である調」なら断定的で説得力がある印象になります。

「です・ます調」は敬体「だ・である調」は常体ともいわれます。
この文体は、基本的に文章内では統一しましょう。

注意点として、同じ文末表現を繰り返し過ぎると、文章が稚拙な印象になってしまうこともあります。

同じ文末表現を繰り返すとはどういうことですか?

「〜です。〜です。〜です。〜です」のような調子のことです。

できるだけ、文末表現は繰り返さないように、自然に変化をつけるのが理想です。
文末の全てを変えてしまうとかえって不自然になることもあるため、適宜判断していきましょう。

また、体言止めの使用には注意が必要です。日本語は、述語により「肯定」「否定」「疑問」と意味が変わります。述語がない体言止めは、やや情報不足になる可能性があるため、解説記事には不向きです。

文末表現の種類【一覧】

文末表現の種類・一覧

代表的な文末表現を一覧でご紹介します。

【代表的な文末表現】

 です・ます調(敬体)だ・である調(常体)
断定です。

ます。

だ。

である。

推量でしょう。だろう。
疑問でしょうか。

ですか。

だろうか。
否定ではありません。

ではないです。

ではない。

 

推量かもしれません。

と考えられます。

でしょう。

かもしれない。

と考えられる。

だろう。

伝聞そうです。ようだ。
確認ですか。か。
状態ようです。ようだ。
勧誘しませんか。しよう。
過去しました。した。

レポートで使う文末表現

レポートの文末表現

学生にとって、レポートは評価を得るための重要な課題です。

レポートには、レポートならではの書き方のコツがあります。こちらでは、レポートに適した文末表現をご紹介します。

レポートでは、「だ・である調」を使い、簡潔に言い切るのがポイントです。

【レポートの文末表現のポイント】

文末表現のポイント
だ・である調を使う 考察します。

考察する。

二重否定は使わない 知らないわけではない。

知っている。

ら抜き言葉は使わない 見れる。

見られる。

「のである」「のだ」は使わない

(押しつけがましい強調はしない)

もたらしたのである。

もたらした。

受動態より能動態で書く 〜には〜と記されている

〜は〜と記している

主観で書かない 〜と思う

である

レポートでは、「正しく簡潔に伝わる文末」を選んでいくとよいでしょう。

表現に迷うときは、担当の先生に直接質問してみましょう。

文末表現を選ぶ3つのポイント

文末表現3つのポイントを例文で解説

文末表現を選ぶためには、3つのポイントがあります。

  1. 文体を統一する
  2. 同じ文末を繰り返さない
  3. 体言止めを多用しない

ポイント1. 文体を統一する

基本的に、文末の敬体「です・ます調」・常体「だ・である調」は統一します。
それぞれの文体には特徴があるため、伝えたい内容に合う文体を選びましょう。

【特徴】

 です・ます調だ・である調
メリット・丁寧で柔らかい

・親しみやすい

・簡潔に伝わる

・説得力がある

デメリット・単調になる可能性がある・威圧的になる可能性がある

「です・ます調」に適した文章、「だ・である調」に適した文章があります。

【文体に適した文章】

です・ます調だ・である調
・解説記事

・企業紹介・商品紹介・親しみやすいコラム

・新聞・ニュース記事

・論文・箇条書き・クールなコラム

解説記事、紹介記事、親しみやすいコラムなどは、丁寧で柔らかい「です・ます調」が適しています。


新聞紙・ニュース記事、論文、クールなコラムなどは、簡潔で説得力がある「だ・である調」が適しているでしょう。

「です・ます調」を「だ・である調」について解説した記事があります。
こちらもご覧ください。↓

ポイント2. 同じ文末を繰り返さない

同じ文末を繰り返すと、稚拙な印象を与えてしまいかねません。
なるべく同じ文末を繰り返さないようにしましょう。

例文で確認してみましょう。

【例文:同じ文末を繰り返すと…】

今日は晴れです。明日は雨です。あさっては曇りです

【改善】

今日は晴れです。明日は雨でしょう。あさっては曇りの予報が出ています

ただし、無理に文末を変化させて不自然になってしまうこともあります。
適宜判断していきましょう。

ポイント3. 体言止めを多用しない

体言止めを多用するのはやめましょう。体言止めとは、文末を体言(名詞・名詞句)で終える書き方のことです。

例文で確認しましょう。

【体言止め】

これは、父が残してくれたギター

「ギター」という名詞で文末が終わっています。この場合、読み手は述語を推測することになるでしょう。

解説記事では、述語まですっきりと言い切るほうが親切です。

【改善案】

これは、父が残してくれたギターです

これは、父が残してくれたギターではありません

これは、父が残してくれたギターかもしれません

文末によって、意味も変わります。
できるだけ、体言止めは避け、述語まで言い切りましょう。

ただし、文章にリズムをつけたいときなどに体言止めを使用することはあります。その場合には、なるべく情緒的にならないように読み手目線を考えて使用しましょう。

体言止めについて解説した記事もあります。こちらもご覧ください。↓

【文字起こしの文末表現】敬体と常体が混在することがある

文字起こしの文末表現は敬体と常体が混在することもある

文字起こしでは、敬体「です・ます調」と常体「だ・である調」が混在することがあります。

次の2つ場合です。

【敬体と常体が混在する】

  1. 話者が敬体と常体を混ぜて話している場合。
  2. 会話文が敬体、地の文が常体である場合。

上記の場合には、敬体「です・ます調」と常体「だ・である調」の混在が許容されることがあります。

例文で確認してみましょう。

【1. 話者が敬体と常体を混ぜて話している】

私が地方移住してよかったことは、人口密度が低くてのびのびできることだね

東京での暮らしにはもう戻れません

雰囲気重視の文字起こしでは、発話の敬体と常体の混在はそのままにします。

【2. 会話文が敬体、地の文が状態】

「この研究を広めたいと強く思いました

〇〇さんはそう述べ

会話文が敬体「です・ます調」でも、地の文が常体「だ・である調」と決まっている場合には、混在させることがあることも覚えておきましょう。

文末表現を意識しよう

文末表現によって、文章の意味も印象もがらりと変わります。ご紹介したポイントを参考に文末表現を選んでみてください。

大切なのは、読み手にストレスをかけず、スムーズに伝えることです。