デプスインタビューについて知りたいです。
デプスインタビューは、1対1で行うインタビュー形式のことです。
デプスインタビューとは、定性調査の手法の一つで、1対1で行うインタビュー形式です。
消費者の行動心理や背景を深く掘り下げて知りたいときなどに使われる手法です。
デプスインタビューのやり方について、わかりやすくご説明します。
デプスインタビューの意味、目的、質問項目作成のポイントなどもご覧ください。
目次
デプスインタビューとは
デプスインタビューとは、定性調査(※)の手法の一つで、インタビュアーと対象者が1対1で行うインタビュー方式です。
一般的に、時間は60分程度です。1対1で、ゆっくり時間をかけてインタビューすることにより、深い情報を引き出します。
※定性調査では、数値化することのできない「行動の理由」「経緯」などを探ります。
「デプスインタビュー」の意味
デプスインタビューは、英語ではDepth Interviewと表記します。Depthは、深さという意味です。Depth Interviewは、深層面接法と訳されます。表層の調査ではなく、行動の理由や背景などを深層まで掘り下げて調査するインタビュー方法です。
デプスインタビューの目的
デプスインタビューは、詳細な情報を把握できるため、次の目的がある場合に行われます。
【デプスインタビューの目的】
詳細な情報把握
・消費者理解
・潜在ニーズの発見
・改善点の検出 など
デプスインタビューでは、表層的な事柄よりは、対象者を深く掘り下げて調査することを目的とします。
例えば、顧客がある商品を買うに至った経緯や、行動の理由まで掘り下げてインタビューします。これにより、顧客の深層心理や、潜在顧客のニーズなどを探り出します。
デプスインタビューの人数
デプスインタビューでは、1対1でインタビューを行います。1回のインタビューの対象者は1名です。ただし、インタビューは異なる対象者に複数回行い、回答や意見を集めて情報を判断します。
1つの課題に対して10名程度の対象者にインタビューすることが理想です。1対1でインタビューすることにより、本音を引き出しやすくなります。また、大勢では話しにくいプライベートな内容をインタビューするのにも適しています。
ゆっくりと詳細な情報を聞き出せるため、対象者本人も自覚していない深層心理まで探ることが可能です。
【1対1でインタビューするメリット】
・本音が聞ける
・プライベートな内容を扱える
・深層心理まで探れる
デプスインタビューのやり方:流れ・まとめ方
デプスインタビューのやり方をご紹介します。
- インタビュー対象者の決定
- 質問の設定
- インタビューの実施
- 文字起こし
- 記事(レポート)作成
インタビュー対象者の決定
インタビューの目的に合わせ、インタビュー対象者を選定します。消費者アンケートに回答してくださった方からスクリーニングして選んだり、知り合いから紹介してもらったりという方法があります。
インタビュー対象者を選定するときには、次の点を考慮するとよいでしょう。
【インタビュー対象者の選定基準(例)】
・情報を把握している人
・話す意欲がある人
・自己分析できる人
費用を決定する
デプスインタビューは、ゆっくり詳細な情報を聞き出すため、対象者にも負荷がかかります。
謝礼の準備をしましょう。インタビュー時間が長いほど高額な謝礼が必要です。
質問の設定
事前に質問項目を準備しておきます。
調査対象についての知識を習得し、より核心に迫る質問を用意しましょう。質問項目が決まったら、質問する順番と時間配分も設定しましょう。
ただし、実際のインタビューでは、対象者の反応を見ながら、臨機応変に対応します。「〇〇ですよね?」などと、回答を誘導しないように気をつけてください。
インタビューの実施
デプスインタビューは、1対1で、一般的には60分程度行います。事前にスケジューリングの確認をして滞りなく行いましょう。
設定した質問の流れをしっかり頭に入れながらも、臨機応変にインタビューを進めます。
文字起こし
インタビュー内容は、いったん文字起こしをします。文字起こしとは、録音や録画などをもとに、音声の内容を文字データ化(テキストデータ化)することです。
文字データにすることで、内容を振り返りやすくなります。
記事(レポート)の作成
文字起こしでテキスト化したデータをもとに、記事やレポートを作成します。
詳細な情報を得られるのがデプスインタビューの特徴です。情報を整理して記事にするためには、それなりに時間がかかることを考慮して取り掛かりましょう。
デプスインタビューの質問項目:3つのポイント
インタビューでは、何を質問するのか、予め考えておきます。
デプスインタビューでは、時間配分も考え、「これだけは聞いておかなければ」という質問が漏れてしまうことのないようにしましょう。
質問項目の作り方には、3つのポイントがあります。
- 5W1Hを意識する
- クローズド・クエスチョンとオープン・クエスチョンを用意する
- 過去・現在・未来の質問を用意する
具体的に確認していきましょう。
ポイント1. 5W1H を意識する
質問を考えるときには、まず、5W1Hのフレームワークに当てはめてみましょう。何を聞くべきなのかわかりやすいでしょう。
【5W1H】
- When: いつ
- Where: どこで
- Who: 誰が
- What: 何を
- Why: なぜ
- How: どのように
例えば、商品に対する聞き取りであれば、次の質問が考えられます。
【商品購入に関する質問例】
5W1H | 質問項目 |
---|---|
When:いつ | 「いつ商品を手に取りましたか?」「どのような時(季節・時間帯)にこの商品を欲しいと感じますか?」 |
Were:どこで | 「どこで商品を手に取りましたか?」「オンラインと実際の店舗のどちらで商品を購入しましたか?」 |
Who:誰が | 「身近な誰がこの商品を購入していますか?」「この商品について誰かが話しているのを聞いたことはありますか?」 |
What:何を | 「この商品の何を気に入りましたか?」「この商品の何を購入の決め手をしましたか?」 |
Why:なぜ | 「なぜこの商品を購入しようと思いましたか?」「類似品の中から、なぜこの商品を選びましたか?」 |
How:どのように | 「購入前にどのようにイメージしましたか?」「実際に購入してみてどのように感じますか?」 |
ポイント2. クローズド・クエスチョンとオープン・クエスチョンを用意する
クローズド・クエスチョンとオープン・クエスチョンを用意しましょう。
【クローズド・クエスチョン】
「はい」「いいえ」の選択肢で答えられる質問
「AかBのどちらを選択しますか?」
(→AかBで答えられる)
【オープン・クエスチョン】
自由に回答できる質問
「そのとき、どう感じましたか?」
(→自由に気持ちや考えを話せる)
インタビューの流れの中では、クローズド・クエスチョンから始めて、オープン・クエスチョンを投げかけるようにすると、回答しやすいでしょう。
ポイント3. 過去・現在・未来の質問を用意する
対象者の過去・現在・未来に関する質問を用意するとよいでしょう。
質問の流れは、現在→過去→未来の順番にします。
まず、対象者が答えやすい「現在の状況」を質問します。そこから、「過去に起きたこと」「未来に思い描くこと」という流れにします。
記事にするときも、未来への展望で終わるとポジティブな印象を残せます。
デプスインタビューを成功させよう
デプスインタビューなら、対象者と1対1でゆっくりとお話しできるため、より深い情報を引き出せます。インタビュアーは聞き役に徹し、リラックスした雰囲気で、会話の内容をより深層へと導きましょう。
事前に質問を用意し、共感しながら進めることで、対象者も気がつかない無意識の行動心理を明らかにしていきましょう。
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