できます。
テープ起こしは在宅ワークで行えるため、副業にも向いています。
「テープ起こし」は、録音された音声を聞き取り、言葉を文字に起こす仕事です。「文字起こし」ともいいます。
「在宅でできる副業を探している」そんな方は、テープ起こしを選択肢に入れてみるとよいでしょう。未経験でも、準備して始めることは可能です。
収入を心配する方も少なくありませんが、慣れてスピードアップするにつれ、時給換算した収入はUPしていきます。国語好きで言葉の探求が好きな方は、新しいキャリアとしてテープ起こしを選択肢に加えてみましょう。
目次
【収入】テープ起こしを副業にして稼げる?
まず、「テープ起こしを始めてみても、仕事がなかったらどうしよう」と心配する声にお答えします。
インタビューや会議のほか、最近増えているのが動画関連の仕事です。youtube動画のナレーションなど、テープ起こしの需要はまだまだあります。
ただし、収入に関しては、慣れるまでは時間の割にお金にならないと感じるかもしれません。
仕事に慣れている方が1時間のテープ起こしにかかる時間は5時間程度という目安があります。初心者の方は10〜15時間かかるかもしれません。
【例:テープ起こしの収入シミュレーション】
1時間の音声が原稿料1万円の場合…
5時間で仕上げる : 時給2,000円
10時間で仕上げる: 時給1,000円
15時間で仕上げる: 時給600円
かかる時間によって時給換算した額は異なります。SOHOサイトでの報酬はもっと安価なこともあるようです。
最初から「稼ごう!」と気負わず、勉強するつもりで始めて研鑽を積み、スキルが身についたら直請けで値段交渉できるぐらいのスペシャリストを目指してみてはいかがでしょう。
テープ起こしを副業で始めるための6つの準備
テープ起こしを副業で始めるためには、次の準備が必要です。
- パソコン環境
- イヤホンとヘッドホン
- フットスイッチ
- テープ起こし用の音声再生ソフト
- 表記のテキスト
- 登録
パソコン環境
テープ起こしを副業で始めるなら、ご自宅のパソコン環境が整っていることが前提です。次の流れでスムーズに仕事できることが最低条件であるためです。
自分のパソコンで音声ファイルを受け取る
↓
仕様に沿って文字化する
↓
指定された形式で納品する
スタッフ選考を通過するためには、まず、パソコン環境を整え、Wordファイルの操作などの基本的な使い方は習得しておきましょう。もちろん、データのやりとりに十分なインターネット回線も準備しましょう。
ヘッドホン・イヤホン
性能が良いヘッドホンとイヤホンは必須です。テープ起こしは、正確に聞き取ることが基本であるためです。
テープ起こしをスムーズにスピードアップして行なうために、イヤホンとヘッドホンにはこだわりましょう。
【モニターヘッドホン】
文字起こしをするなら、まず持っておきたいのが、密閉型モニターヘッドホンです。モニターヘッドホンは、全音域を均一に聞けるため、音声の聞き取りに適しています。
ただし、モニターヘッドホンは、重くて蒸れるため、長時間の使用は無理があります。
【カナル型イヤホン】
長時間の作業用には、軽いイヤホンを使用しましょう。イヤホンの中では、遮音性が高いカナル型イヤホンがおすすめです。
カナル型イヤホンは、耳栓のように耳の中でフィットします。ヘッドホンほどの遮音性はありませんが、カナル型イヤホンであれば、比較的クリアに音声が聞き取れるでしょう。
イヤホンとヘッドホンの選び方について詳しく解説した記事があります。こちらもご覧になってみてください↓
フットスイッチ
フットスイッチがあれば効率的に仕事を進められます。
フットスイッチとは、音声の再生・停止などを足で行える機器です。両手をタイピングに集中できるため、スピードアップ、効率アップに役立ちます。
「フットスイッチ USB」で検索し、パソコンにUSBで接続できるタイプを探してみましょう。
フットスイッチについて、詳しく解説した記事があります。こちらもご覧ください!↓
テープ起こし(文字起こし)用の音声再生ソフト
テープ起こしに適した音声再生ソフトがあります。
次の機能がある音声再生ソフトを選んでみると便利です。
- 幅広い音声ファイル・動画ファイルに対応している
- 再生スピードを変更できる
- フットスイッチに対応している
- ホットキーを使って作業できる(マウス不要の操作ができる)
- 音声タイムのコピーができる
- 自動巻き戻し(ちょっと戻り)機能がある
自動巻き戻し(ちょっと戻り)は、音声を停止してまた再生するときに、数秒戻ったところから再生される機能です。2〜3秒ほど戻るよう設定するとよいでしょう。テープ起こしをしていてとても便利な機能です。
音声タイムも、「00:00:00」と、その都度手入力するのは手間がかかります。音声タイムコピーの機能があると便利でしょう。
音声再生ソフトやフットスイッチなど、テープ起こし(文字起こし)をスピードアップするための秘訣をまとめた記事があります。こちらもご覧ください!↓
表記のテキスト
表記の指針となるテキストも必要です。
私は文章作成の際には「記者ハンドブック」を愛用しています。
表記とは、ある言葉の書き表し方のことです。例えば、「犬」であれば、平仮名・片仮名・漢字のどれで書くか、そういう判断が必要です。
テープ起こしを仕事にするなら、表記のテキストともいえる書籍を手元に置いておきましょう。
- 「記者ハンドブック」共同通信社
- 「新訂 標準用字用例辞典」日本速記協会
上記の2冊、もしくは「記者ハンドブック」だけでも、用意しておいてください。
表記の判断の指針は、国から示され、文化庁のウェブサイトに掲載されています。[注1]この文化庁の指針を反映してわかりやすくまとめた書籍が、上記の2冊です。
「記者ハンドブック」は新聞表記、「新訂 標準用字用例辞典」は速記表記という種類に分類されます。
どちらを使用するか迷う場合は、共同通信社「記者ハンドブック」を選ぶのがおすすめです。こちらは一般書店で購入できるでしょう。
テープ起こしの表記では、まず、クライアント様の仕様や、スタッフ登録している会社の表記ルールに従います。そのほか、判断に迷う場合には、上記の書籍を参考に、標準的な判断基準に従いましょう。
登録する
在宅でテープ起こしをする環境が整ったら、企業やSOHOサイトにスタッフ登録します。企業にスタッフ登録する場合は、複数の会社に登録することも可能です。
SOHOサイトの場合、クラウドソーシングなどを介して仕事を受注します。報酬が安いと感じることがあるかもしれませんが、仕事を請けながら腕を磨き、いずれは直受け(じかうけ)を目指すこともできるでしょう。
テープ起こしを副業で行なう流れ
テープ起こしを副業で行なう場合の流れをご説明します。
あくまで、一例ですが、参考になさってください。
【企業にスタッフ登録する場合】
応募
↓
実務テスト・面接
↓
スタッフ登録契約
↓
音声ファイルを受け取る
↓
文字に起こす
↓
納品
↓
原稿料振り込み
テープ起こしのスタッフ選考では、実技試験・面接・筆記試験などがあります。選考方法は企業によりますが、対応できるよう準備しておきましょう。
仕事にかかる時間は、音声データから文字に起こす時間のほかにも、データを受け渡しのやり取りにかかる時間があります。本業との両立ができるよう、余裕のある仕事量から始めましょう。
【勉強方法】テープ起こしを始めるための勉強方法
テープ起こしを始めるための勉強には、次の2つの方法ががあります。
- 講座で学ぶ
- テキストで学ぶ
このほかに、普段の生活や、関連する仕事の中で知識を増やすこともできるでしょう。
講座やテキストで学ぶ
有名な通信講座にも、テープ起こし(文字起こし)のコースがあります。または、市販のテキストを利用して学ぶ方法もあります。テキストによっては、音源をダウンロードして、聞き取りの練習もできるでしょう。ご自分に合った方法を選んで活用するのがおすすめです。
表記については、共同通信社の「記者ハンドブック」などを手元に置き、一つひとつ確認しながら覚えていくとよいでしょう。
普段の生活の中にも勉強の機会がある
普段の生活の中にも、言葉の知識を増やす機会があります。
- ニュースを見る
- 新聞を読む
- 専門書を読む
常に言葉の知識を吸収するアンテナをオンにしておきましょう。時事問題に詳しかったり、専門用語を知っていたりすることは、聞き取りの際に有利です。
知らない言葉を聞き取ることは非常に困難ですが、知っている言葉はスムーズに聞き取れるでしょう。
関連する仕事で知識量を増やす
テープ起こしと関連する知識を使う仕事もあります。
次の3つはどれも言葉に関連する仕事です。
- ライター
- 校正
- 翻訳
これらの仕事には、正しい言葉遣いや表記ルールの知識が必要です。テープ起こしと兼業することで、文章力が磨かれ、それぞれの仕事の効率が上がるでしょう。
【経験】未経験でも仕事はもらえる?
テープ起こしを副業で始めるとして、本当に仕事はあるのか、未経験でも仕事はもらえるのか、という心配があります。
テープ起こしの仕事は、未経験者でも求人はあります。
ただし、会社により、軽いテストやスキルの確認はあります。こちらの記事を参考に、テープ起こしのための準備を整えておきましょう。
次の3つがあると心強いでしょう。
パソコンでファイルをやりとりするための環境
基本的なファイル操作のスキル
基礎的な文章力(表記の知識があるかなど)
あとは、仕事を始めて、取り組みながら研鑽を積むのがよいでしょう。
始めのうちは、時間がかかってお金にならない!と感じるかもしれません。それでも、丁寧に取り組むうちに、知識も身につき、仕事のスピードは速くなっていくでしょう。
誤字脱字や表記など、文章に関する知識をご説明している記事があります。こちらもご覧ください↓
【バレる?】副業は会社の許可を得て行なう
副業を行なうなら、本業の会社の就業規則を確認してから始めましょう。会社によっては申請が必要な場合もあります。
「バレるのが心配」と思いながら仕事をするのはメンタルにもよくありません。会社の許可をもらい、本業優先でスケジュールと体調を整えましょう。
副業の年間所得が20万円を超えると確定申告が必要
副業の年間所得が20万円を超える場合には、確定申告が必要です。
本業の会社は住民税を納めるため、確定申告をすると、副業の所得にかかる住民税も会社に通知されることがあります。副業を隠していても、こういったことから、いずれは露呈してしまうものです。
副業として続けるための4つのコツ
テープ起こしを副業として続けるためには、継続してお仕事をいただかなければなりません。そのために大切にしたいのが次の4つです。
- 納期を守る
- 丁寧な仕事をする
- 守秘義務を守る
- 自律する
詳しく見ていきましょう。
納期を守る
納期は必ず守りましょう。納期というのは、「どうしてもその日までに必要」という日なのです。
納められた文章データは、その後、編集や校正などの工程が待っているのかもしれません。もしも納期に遅れると、次の工程も含めたスケジュールの調整が必要です。さらには、発注先の必要な日に用意できなくなってしまうかもしれません。
何かあったときのことも考え、納期の前日には納品するように心がけましょう。
丁寧な仕事
それでは、納期を守るためにスピード優先の仕事で納品してよいのかといえば、そんなことはありません。
当たり前ですが、一つひとつの文字起こしを丁寧に行いましょう。
- 仕様に沿っている
- 誤字脱字がない
- 指定された納品形式である
上記の基本をしっかりチェックしましょう。
守秘義務を守る
音声データや原稿に関することを言いふらさないことは大原則です。
さらに」クライアント様に関することもしっかり機密にしましょう。データの管理も徹底し、ほかへ漏れることのないように努めます。
自律する
在宅ワークをするなら、自律した生活が大切です。次の3つを心がけ、高い意識で臨みましょう。
【在宅ワークのための自律の心得】
体調管理に努める
スキルアップのための勉強を欠かさない
常に連絡に応じられる態勢でいる
小さなお仕事でも、大切にしていくことで、大きな未来につながることもあります。いただいたご縁を大切にしていきましょう。
副業の注意点
副業は、時代に合わせた柔軟な働き方として、より一般的になっていくと考えられています。厚生労働省の資料には、そのメリットについて次のように記載されています。[注2]
【厚生労働省/副業・兼業の促進に関するガイドライン】
副業・兼業の促進の方向性
【労働者】
メリット:離職せずとも別の仕事に就くことが可能となり、スキルや経験を得るこ とで、労働者が主体的にキャリアを形成することができる。
【企業】
メリット:労働者が社内では得られない知識・スキルを獲得することができる。
ただし、副業・兼業を認めていない企業は85.3%というデータもあるため、注意が必要です。[注2]副業を行なう際の注意点をお伝えします。
本業の会社と十分なコミュニケーションをとる
厚生労働省の資料には、副業を希望する労働者の対応として下記の指針を示しています。[注2]
【引用:厚生労働省/副業・兼業の促進に関するガイドライン】
労働者は、副業・兼業を希望する場合にも、まず、自身が勤めている企業 の副業・兼業に関するルール(労働契約、就業規則等)を確認し、そのルー ルに照らして、業務内容や就業時間等が適切な副業・兼業を選択する必要がある。
また、実際に副業・兼業を行うにあたっては、労働者と企業双方が納得感を持って進めることができるよう、企業と十分にコミュニケーションをとることが重要である。
副業を続けていくためには、どうしても本業の会社の理解を得ておく必要があります。副業でスキルを磨くことが本業にも生かされ、企業と労働者の双方にメリットがあるのが理想的です。
そのためにも、本業の会社と十分なコミュニケーションをとるようにしましょう。
[注2]厚生労働省/副業・兼業の促進に関するガイドライン/pdf
テープ起こしを副業にしてみよう
在宅でできるテープ起こしは、副業に向いています。
国語が好きで、知識欲があり、コツコツと丁寧にできる仕事が向いている方は、副業にテープ起こしを選んでみるのがおすすめです。
「未経験だから…」と気後れせず、最低限の準備を整えたら、仕事を請けてみるのがよいでしょう。最初は誰でも初心者です。経験を積みながら、スキルアップしていけます。