テープ起こしの「タイムコード」とは、音声データを文字に起こす際、決まった間隔ごとに時間を記入することを指します。タイムスタンプともいわれます。

00:00:00

(会話内容)

00:04:59

(会話内容)

上記のように、文章データに挿入します。

また、聞き取りできない部分に記入することもあります。

タイムコードがあることで、音声データと文章データを効率よく照合できます。

今回は、タイムコードについて、基礎知識や表記方法を解説いたします。

タイムコード(タイムスタンプ)とは

タイムカウント

タイムコードとは、音声データの時間経過を文章データに記入したものです。例えば、5分ごとにタイムコードの記入があれば、必要な部分を簡単に探し出せます。

タイムコードは会話の区切りで記入するため、厳密に5分ごとに記入されるわけではなく、「00:04:59」など、約5分のあたりで秒数まで記入されます。

【例文:タイムコードが記入された文章データ】

00:00:00

A:今日は、 Bさんをお招きして、お話を伺います。よろしくお願いします。

B :はい。よろしくお願いします。

(会話)

A:ほかにも、スッキリ暮らすために気をつけていることはありますか。

B:やはり余計な物を持たないことですね。

00:04:59

A:なるほど。

ほかにも、1分ごとの記入など、必要に応じて対応する場合が多いでしょう。文章データを読んでいて、「この部分を音声データで確認したい」と思うときに、その部分をすぐに参照できるのため、とても便利です。

便利なタイムコードですが、テープ起こしライターには負担がかかる作業ではあります。タイムコードを記入する場合には、納品日数に余裕をもたせるよう注意しましょう。

タイムコード記入の間隔

タイムコード記入の間隔

タイムコードを記入する間隔ですが、「時間区切り」と「センテンス区切り」があります。

  • 時間区切り       :5分ごと・10分ごとなどに記入
  • センテンス区切り    :文章の区切れ部分にその都度記入

時間区切り

5分ごとの時間区切りでは、ぴったり5分ずつ記入するわけではありません。5分前後で最も近い文章の区切れ部分に時間を記入します。「00:04:59」の場合もあれば「00:05:15」の場合もあるでしょう。

また、記入する時間間隔が短いほど、記入箇所は多く、労力も作業時間もかかります。そのため、1分ごとのタイムコード記入であれば、割増料金で対応している会社もあります。

センテンス区切り

一方のセンテンス区切りは、文章の区切れ部分に、随時、タイムコードを記入します。そのため、時間区切りよりも記入箇所が多く、労力が必要です。作業時間もかかるでしょう。

労力も時間も必要なセンテンス区切りですが、必要部分を音声データで探す際には、すぐに必要箇所が分かります。音声解析などの資料をテープ起こしする際に使用すると便利でしょう。

タイムコード4つの表記方法

タイムコードの表記方法を4つご紹介します。

00:00:00ベーシックな表記方法
00時00分00秒見やすいが作業負担が大きい
00°00’ 00’’ 00映像のカウントに使用されることが多い
00h00m00sh=時間 m=分 s=秒

テープ起こしで最も使用されているのが「00:00:00」の表記です。

聞き取れない部分にもタイムコードを記入する

タイムコードを聞き取れない部分に記入

聞き取れない部分にタイムコードを記入することがあります。

【例文:聞き取れない部分のタイムコード】

音声データ: フランスの哲学者は困難は◯◯せよと言っています。(←◯◯が聞き取れない部分)

↓テープ起こし

文章データ: フランスの哲学者は、困難は●●(@1:27:50)せよと言っています。

聞き取れない部分の記入方法は、クライアント様からの指定があればそれに従います。特に指定がなければ、タイムコードを記しておくのがよいでしょう。聞き取れない部分の照合がスムーズです。

聞き取れない部分にタイムコードの記入がないと、探して照合するのに労力がかかってしまうでしょう。

【目的】タイムコードでデータの照合が楽にできる

タイムコードの活用

タイムコードが記入されていると、音声データと文章データを効率的に照合できます。

分かります。

1時間の音声データがあるとして、文章データを確認していて特定の部分の音声データを確認しようとしたときに、もしもタイムコードがなかったら大変です。

1時間の音声データの中から、時間も分からないまま必要部分を探すのは非常に困難です。ここでタイムコードが活用されます。

タイムコードが記入されていれば、確認したい部分の時間を見て、音声データのその時間の部分を再生すればよいのです。タイムコードの記入はテープ起こしライターにとっては負担のかかる作業ではあります。しかし、データを効率よく活用するためにとても大切です。

1時間以上の音声データならタイムコードが必要

1時間以上の音声データなら、タイムコードをつけたほうがよいでしょう。もし、長時間データにも関わらずタイムコードを記入していなければ、確認したいことがあったときに、必要な部分を探し出すのに手間取ってしまいます。

タイムコードの記入間隔は、5分から15分単位で、必要に応じて記入するのがよいでしょう。5分間隔では煩わしく感じるなら10分間隔で。細かく確認できたようがよいなら5分間隔で。

そんなふうに、資料の特性や使用方法を考えて決めましょう。

タイムコード記入でデータを効率よく活用しよう

タイムコードの記入には次の2つがあります。

  • 音声データの時間経過を記入する (5分ごと、10分ごとなど)
  • 聞き取れない部分に記入する   (●●00:06:01など)

タイムコードの記入があると、文章データで気になる部分があったとき、音声データから確認したい部分を探すのにとても役立ちます。

文章データと音声データを照合して、効率よく活用するためにも、1時間を超えるデータにはタイムコードを記入するのがよいでしょう。